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サクラ保存林の仲通りを歩いていると、あるサクラの木のあたりで、細い雨がスーッと何本も次々に落ちてくるのが見えました。でも、この日はよい天気。
ちょうど太陽の方向を向いて逆光になった時に、光が雨にあたって散乱してよく見えます。持っていたノートを広げると、細い水滴がいくつもノートに落ちました。でも、その木から少し離れて歩き始めると雨は降っていません。
遠見通りの‘染井吉野’のところでは、もっとたくさんの細い雨が見えました。よく見ると、細い枝のあたりから落ちています。木の芽から水がしみ出ているのかと最初は思いましたが、雨が落ちて来るあたりの梢をカメラの望遠で拡大してみると、木の芽ではなく、そばにある緑色のもののあたりからぽたぽた雨が落ちています。
緑色のものはカメムシの仲間のツマグロオオヨコバイ(別名バナナムシ)でした。木の枝に口吻を差し込んで木の汁を吸って、栄養分をとった残りを排出しているようです。
細い雨の正体がわかりましたが、それにしてもすごい数のツマグロオオヨコバイがいるのだと驚きました。サクラの他にカツラやカエデなどの樹木からも同様の雨が見られるようです。(よ)
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