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森の科学館横の路上を紺色の金属光沢を発しながら歩いている甲虫がいました。ツチハンミョウです。秋に成虫が発生することと触角の第1節が先端節の次に長いことからおそらくヒメツチハンミョウでしょう。
ツチハンミョウの仲間(Meloe属)のオスは触角の中央辺りの節が大きいのが特徴で、この写真の個体もオスです。交尾の際、オスはメスにマウント(上から乗ること)しますが、メスは初めこれを避けようとします。しかし、上に乗ったオスがこの触角の突起物でメスの触角を抱え込むようにして撫でると、メスは大人しくなってオスに従います。コンタクト(接触)フェロモンによる化学的刺激か感覚毛などを介しての物理的刺激によってメスのこの行動が解発されると考えられますが、詳しい仕組みはまだ解明されていないようです。
なおこの虫はカンタリジンという毒成分を分泌しますが、昔はこれを媚薬としても用いたそうです。(や)
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