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キジョランの葉に止まる奇妙な姿の虫を見つけました。脚が長いので一見クモのように見えますがそうではありません。チャバネフユエダシャクという蛾の雌成虫です。
「フユシャク」は冬(晩秋から早春)に限って出現するシャクガ科のガ(蛾)の総称で、日本に35種ほどが知られています。雌の翅が縮小するか完全に欠けてしまうことで有名ですが、雄は普通のガと同じように翅を持ち飛び回ることが出来ます。種によって冬の間の出現時期が異なります。
ほとんどの昆虫たちが活動をしない季節にあえて出現するのは天敵が少ないからだと考えられますが、そんな変わった生き方をする昆虫を、葉がすっかり落ちてしまった雑木林で一日じゅう探している人は、さらに酔狂な生き方をしているのかもしれません。(た)
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