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師走に入ったというのに,サクラ保存林の歩道の脇で弱々しくジージージーと鳴いている虫がいました。マダラスズです。
体長6〜8mm,後脚に縞模様のある小型のコオロギです。明るい草地や裸地,市街地にもいる普通種です。比較的温暖なこの辺りでは夏と秋の年2回成虫が発生します。夏は蝉時雨で,秋は他のコオロギやアオマツムシなどの鳴き声に負けて,注意して耳を傾けないとなかなか聞こえなかった鳴き声です。
他の鳴く虫のいなくなった今,まさに我が世の春ならぬ「冬」を謳歌しているようです。しかしこれも霜の降りるまで,束の間の我が世です。(や)
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