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園内の各所(第2樹木園が多い)に植えられているメタセコイアが花盛りです。木が大きいので、樹上の花を近くで見ることはできませんが、茶色の房がたくさん垂れ下がっているのが遠くからでも見えます(写真左)。地面を見ると右の写真のようなものがたくさん落ちています。これは雄花序ですが、雌花序はなかなか見つかりません。でも、球果が落ちているのをよく見かけますので、雌花が咲くことは間違いありません。
メタセコイア(Metasequoia glyptostroboides)は、ヒノキ科(かつてはスギ科とされていましたが、最新の分類体系ではスギ科はヒノキ科に含められています)に属する落葉針葉樹で、かつては化石でしか発見されていなかったので、遠い昔に絶滅したと考えられていました。しかし、1945年に生きているものが中国で発見され、実生でも挿し木でもよく殖え、成長が速いので、世界各地に広まりました。
真っ直ぐ伸びた幹、円錐形の樹形、美しい新緑などの特徴から、公園樹や並木、学校の木など緑化樹として各地に植えられていますが、用材には不向きです。(し)
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