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カラムシ(8月)

カラムシカラムシは人里近くに多い、高さ1-2メートルの多年草です。葉の裏面は白い綿毛が密生して、白っぽく見えます。雌花の穂が茎の上のほうに付き、雄花の穂が茎の下のほうに付くそうですが、とても小さな花なので、なかなかはっきりとは見えません。

いわゆるしつこい雑草と見られていることが多く、園内でもサクラ保存林の林床に繁茂していますが、茎から丈夫な繊維がとれ、越後上布など上質の織物の原料となっています。中世の越後地方はカラムシの一大産地で、その販売による利益が、戦国大名・上杉謙信の財力を支えたといわれています。カラムシの栽培と利用の技術は、上杉氏の移封先である会津や米沢にも伝えられ、江戸時代も重要な財源でした。

カラムシの葉はアカタテハという蝶の幼虫の食草であり、その葉をつづって巣を作ります。また、フクラスズメという蛾の幼虫もカラムシの葉を食べて育ちます。さらに、ラミーカミキリの幼虫もカラムシを食し、こちらは茎の中で成長します。(よ)

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