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サクラ保存林の関山ベンチの後ろにある天然林の林縁を、オナガアゲハの雄がひらひらと飛んでいます。クロアゲハとたいへんよく似ていますが、飛び方は少し弱々しく、ひらひらという感じです。
天然林の縁の様々な植物が低く生えているところに、すっととまって休みました。平地でよく見かけるクロアゲハに比べると、羽が全体にやや細いこと、後翅の尾状突起も細長く先端がやや内側に向くこと、などで区別できます。写真では見えませんが、飛んでいる時には後翅の前縁に黄白色の紋がはっきりと見えて、雄であることがわかります。また、雌では後翅の赤い斑紋がもっと多く見られます。
そっとシャッターをきったつもりでしたが、1枚写したとたんに慌てたように、急いで飛び去っていきました。オナガアゲハの幼虫は、ミカン科のいろいろな植物を食べますが、特にミカン科コクサギ属のコクサギを好みます。コクサギは、やや湿った薮や沢沿いの林内に生育する落葉の低木で、園内でもよく見かけます。(よ)
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