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スミナガシ(8月)

スミナガシ水面に墨汁や顔料を浮かせて波模様をつくり、その模様を紙などに写し取る古来の遊び“墨流染”が和名の由来。優雅な名のとおり、様々な“黒”が絶妙に混じった模様は見れば見るほど美しい。

クヌギなどの樹液や落ちた果実を好んで訪れ、また午後に山頂でなわばりを見張る姿もよく見かける。そんな時には、構えた捕虫網の枠に止まることもあり、まるで“採れるもんなら採ってみろ”と、こちらに挑戦しているようだ。勿論、その挑戦は受けて立つ。

日本産のスミナガシは、色調や斑紋の違いから、屋久島以北、沖縄・奄美諸島、八重山諸島の3つの亜種に区分されている。口吻が赤いのも特徴的。若い幼虫は、小さな葉片を糸で吊してカーテンのような構造物をつくり、その付近の脈上に静止する。科学園記録種。(た)

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