ここから本文です。
1.受賞名 | Plant Species Biology Best Paper Award 2023(受賞日:2023年12月2日) |
---|---|
2.受賞者の氏名、所属 |
蘭光 健人(鹿児島大学) 山本 那織(佐賀大学) R. M. S. Ruwan Chamara(鹿児島大学) 美延 睦美(NPO法人 徳之島虹の会) 木下 晃彦(森林総合研究所 九州支所) 小高 信彦(森林総合研究所 九州支所) 辻田 有紀(佐賀大学) |
3.受賞理由 |
絶滅危惧種であるフウランは、生活史において菌類と特異な共生関係を営むことを明らかにした研究論文が、2023年のPlant Species Biology誌の中で特に高く評価された。 |
4.受賞対象研究の紹介 |
ランの一種であるフウランは乱獲や生息地の減少により野生個体群は絶滅の危機に瀕している。ラン科植物は栄養獲得において菌根菌に大きく依存しているため、保全のためには菌根菌との関わりを理解する必要がある。そこで、野外調査と室内における発芽実験を行い、生活史における菌根菌を調査した。その結果、成熟個体では11種類の菌根菌が検出され、ツラスネラ科の1種が優占していたが、種子発芽はケラトバシディウム科菌に強く誘発された。このことから、フウランの生活史において菌根菌が入れ替わることが明らかになった。今回の研究成果は、フウランの生活史段階で有効な菌根菌を考慮することが、保全に効果的であることが示された。 【受賞論文】 Rammitsu, K., Yamamoto, N., Chamara, R. M. S. R., Minobe, M., Kinoshita, A., Kotaka, N., & Ogura-Tsujita, Y. (2023). The epiphytic orchid Vanda falcata is predominantly associated with a single Tulasnellaceae fungus in adulthood, and Ceratobasidiaceae fungi strongly induce its seed germination in vitro. Plant Species Biology, 38(6), 306–318. |
お問い合わせ
Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.