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更新日:2025年9月22日

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令和7年度河川財団奨励賞(東川 航)

 

1.受賞名 令和7年度河川財団奨励賞(受賞日:2025年8月22日)
2.受賞者の氏名、所属

東川 航(森林総合研究所 九州支所)

3.受賞理由

里山に生息する赤トンボの生息地ネットワーク形成に関する研究が評価されたため。

4.受賞対象研究の紹介

重要な生態系の拠点の配置やつながりのことを「生態系ネットワーク」とよび、そのうち特定の種などに着目した生息地同士のつながりのことを「生息地ネットワーク」とよびます。特に希少種の保全においては、生息地ネットワークの形成要因を明らかにすることが極めて重要となります。本研究では、里山に生息する希少種ミヤマアカネ(トンボ目トンボ科)に着目し、ゲノムワイドな遺伝解析によって、本種の生息地ネットワークが全国的に著しく劣化・消失していることを確かめました。また、本種が移住できる距離は約5km以内であることや、生息地の周囲1km以内における草地面積が大きいほど成虫個体の定着する可能性が高いことを示唆しました。本成果は、希少種ミヤマアカネの生息地ネットワーク保全に貢献するものであり、里山の生態系ネットワーク保全におけるひとつの明確な指標を示したものです。
【受賞対象助成事業名】
氾濫原に生息するミヤマアカネ(トンボ目)を指標とした生態系ネットワークの再生・向上に向けた生息地配置モデルの開発―RADSeq法を応用して―(助成番号2021-5211-009 助成研究者 東川 航)
【関連研究】
Wataru Higashikawa, Mayumi Yoshimura, Atsushi J. Nagano, Kaoru Maeto (2024) Conservation genomics of an endangered floodplain dragonfly, Sympetrum pedemontanum elatum (Selys), in Japan. Conservation Genetics 25: 663-675.
https://doi.org/10.1007/s10592-023-01595-2(外部サイトへリンク)

 

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