広葉樹林化のための更新予測および誘導技術の開発

・北海道立林業試験場(機関ホームページ


カラマツ・トドマツ人工林に落葉広葉樹はどのくらい侵入しているのか?

どんな環境の人工林に落葉広葉樹は侵入できるのか?


落葉広葉樹の侵入に及ぼす広葉樹林からの距離の影響


 広葉樹の天然更新には、種子散布源である母樹からの距離、種子散布者の行動、種子生産の年変動、林内の光環境など様々な要因が影響します。なかでも母樹からの距離は、更新適地を判定する際の基準要因となります。そこで、落葉広葉樹林に隣接するトドマツ人工林において、林縁から林内にかけて100mの調査ラインを3本設置し、生育する広葉樹の実生・稚樹の種類と本数を調べ、落葉広葉樹の侵入に及ぼす広葉樹林からの距離の影響を検討しました。調査結果を図に示します。広葉樹の本数密度は種子散布型により異なり、広葉樹林からの距離への影響度は風散布>鳥散布>動物散布の順になっていました。以上のことから、広葉樹林からの距離の影響の評価は、種子散布型ごと行う必要があると考えられました。



トドマツ人工林内における広葉樹実生(樹高1m未満)の分布密度
横軸の0mは人工林と隣接する広葉樹林との境界を示す。




埋土種子があれば人工林は広葉樹林化できるのか?


列状間伐をした林に広葉樹は侵入しやすいのか?