カラマツ・トドマツ人工林に落葉広葉樹はどのくらい侵入しているのか?
どんな環境の人工林に落葉広葉樹は侵入できるのか?
広葉樹林から近い人工林ほど侵入しやすい
埋土種子があれば人工林は広葉樹林化できるのか?
埋土種子は、光環境の改善など発芽に好適な条件が揃うまで土壌中で生存しているため、人工林内での天然更新に貢献している可能性があります。そこで、埋土種子の天然更新への貢献度を検討するため、落葉広葉樹林と隣接するトドマツ人工林内で埋土種子組成と広葉樹の稚樹の調査を実施しました。調査結果を下表に示します。調査を行ったトドマツ人工林では、アサダ、ハリギリ、ナナカマド、ヤマモミジ、イタヤカエデ、シナノキ、キタコブシ、ミズキ、コシアブラなど19種の稚樹が生育していましたが、ウダイカンバ、キハダ、ホオノキ、ヤマグワを除く15種では、埋土種子が認められませんでした。以上のことから、埋土種子を利用した落葉広葉樹の導入は期待できないと考えられます。

トドマツ人工林における広葉樹の稚樹(樹高30 cm以上2 m未満)と埋土種子の密度
列状間伐をした林に広葉樹は侵入しやすいのか?
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