研究紹介 > トピックス > ニュース > ニュース 2014年 > 生態系保全の新たなしくみを考える ―生物多様性オフセット入門― シンポジウム開催報告
更新日:2014年12月19日
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1.シンポジウムの概要
シンポジウムへの参加者は76名(大学・研究所関係4割、アセス・造園関係3割)でした。生物多様性オフセット制度の認知度に関しては、5割以上が「制度を理解していた」、4割程度が「聞いたことがあった」との回答を頂きました。
2.シンポジウム講演
(下記「関連資料」を参照下さい)
3.パネルディスカッションの概要
ディスカッション開始前に参加者から回収した質問票に基づき、パネラーの皆様に議論していただきました。
まず生物多様性オフセットにおけるベースラインについてや、現在の保全活動における市民参加の状況に関する質問があり、地域連携の重要性が指摘され、大学との連携による生物多様性調査の現状について講演者より回答いただきました。引き続き、生態系サービスの評価、合意形成と開発回避について、地域的な重要性の認識と地域戦略の必要性、オフセット制度の基本であるミティゲーションヒエラルキーに基づく回避や低減の徹底などの、制度基盤構築の重要性が議論されました。またバンキング制度等について、参加者から貨幣価値による評価が保全活動を停滞される懸念が示されましたが、活動の実践者であるパネラーからは、むしろ資金源確保に対する期待がありました。このほか、国際的な生物多様性クレジットの可能性など異なる地域や、異なる生態系間での生物多様性オフセットの可能性が議論されましたが、パネラーの多くは国内の制度としては市町村や県単位などの行政単位の妥当性を指示しました。
4.アンケート集計結果
シンポジウムの満足度、難易度についてアンケートを行った結果、シンポジウムの内容について、6割以上の方から「満足できた」、3割の方から「普通」という評価をいただきました。またシンポジウムで特に関心をもったことについては、「バンキング(6名)」、「地域の役割の重要性(5名)」、「制度導入における課題(4名)」、「評価手法/海外の事例(3名)」などを挙げていただき、今後の情報発信への期待(4名)や、国民の関心・理解の低さへの懸念(2名)などのご感想もいただきました。
本シンポジウムの議論やご意見に関しましては、今後当該プロジェクトにて共有させて頂きます。ご参加ありがとうございました。
関連資料
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