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更新日:2013年10月1日

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自然探訪2013年10月 ヤマドリタケモドキ

ヤマドリタケモドキ (Boletus reticulatus

ヤマドリタケモドキはイグチ科ヤマドリタケ属のきのこで、樹木の根に共生する外生菌根性のきのこです。一般にきのこは秋のものとされていますが、このヤマドリタケモドキは夏から秋に、コナラ、クヌギ、ミズナラ、カシワなどの広葉樹林に発生します。茶褐色のしっかりとした傘と丸太のような柄、さらに柄全体の網目模様が特徴的です(写真1, 写真2)。

一方、以前ヤマドリタケモドキと混同されていたヤマドリタケはBoletus edulisイグチ科ヤマドリタケ属のきのこで、針葉樹(トウヒ)林に発生し、傘の表面に光沢があり別種とされています。しかし、ヤマドリタケモドキとヤマドリタケは、見た目は非常によく似ています。両者とも、イタリア語でポルチーニ、フランス語ではセプと呼ばれ、ヨーロッパでは大変人気のある食用きのこです。ヨーロッパでは乾燥したものも多く流通しています。

ヤマドリタケモドキは、日本で広範囲に見られます。しかし、高温多湿の環境で発生したきのこは、カビたり腐敗しているものも多く、また、中身が虫に食われていて食用に適さないものもあります。さらに、ヤマドリタケモドキによく似たドクヤマドリ(Boletus venenatus)という毒きのこもあるので、じゅうぶん注意してください。

写真1:ヤマドリタケ
写真1:ヤマドリタケモドキ
2013年7月 森林総合研究所(茨城県つくば市)にて

写真2:ヤマドリタケ
写真2:ヤマドリタケモドキ
2013年8月 森林総合研究所(茨城県つくば市)にて、アオハダの根元に群生

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