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このモデルは2021-2024年の気象情報を元に構築した関東地方のカシノナガキクイムシの初発日を予測モデルです。
予測モデルは完璧ではなく、20日程度(場合によってはそれ以上)予測日より早い初発がある可能性があります。
この不確実性を考慮した上で予測日をご利用ください。
ナラ枯れ講演会(2025年2月19日)で紹介した2021-2023年のデータを使った解析では3月の気温だけで初発日が予測できましたが、2021-2024年の初発日を解析すると、3月の気温だけでは初発日がよく予測できませんでした。
そこで3〜4月の気象条件を用いてモデルを再構築しました(解析の詳細は解析手法を参照してください)。
再解析の結果、3〜4月の気象条件を使ったモデルの方が少し予測力が高いという結果が得られましたが、できるだけ早く初発日を知りたい場合にも対応するため、3月の気象条件を用いて初発日を予測するモデル、3〜4月の気象条件で初発日を予測するモデルの2つのモデルを構築し、Excelファイルで計算可能にしました。
モデルの予測力の違いについてはモデルの予測力を参照してください。
Excelファイルには日平均気温を入力するセル、降水量を入力するセル、最深積雪を入力するセルがあります。
これらのセルに値を入力すると、自動的に予測初発日が計算されます。
実際の初発は予測初発日の20日前になる可能性があるので、予測初発日の20日前の日付も同時に計算されます。
また予測に使われているモデルの種類や、計算の問題点はメッセージ欄に表示されます。
以下の手順で気象データを入力すると、予測値を計算することができます。
2025-03-27時点で気象庁のデータダウンロードサービスが停止しているので、以下の手順でデータを入手してください。
図に2021-2024年のデータで計算したモデルによる予測初発日と実測の初発日との関係を示しました。
図1は3月の気象条件を用いたモデル、図2は3〜4月の気象条件を用いたモデルの結果です。
実線は予測日と実際の初発日が等しい条件を示し、粗い点線は実測日が予測初発日の前後10日になる条件を、細かい点線は前後20日になる条件を示しています。
2本の粗い点線の間の点は予測値と実測値のずれが10日以内の調査地点を、2本の細かい点線の間の点を表します。 図1と図2を比べると、3月の気象条件だけよりも3〜4月の気象条件を使ったモデルの方が、予測初発日と実際の初発日の関係が直線に近づきますが、どちらのモデルでも予測値よりも最大で20日程度実際の初発が早く起こる調査地点があることがわかります。
このため、予測された初発日よりも20日前を目処に対策などを行うことが望ましいと考えられます。
図1: 3月の気象条件を用いたモデルでの予測初発日と実際の初発日の関係
モデルのR2 = 0.61です。
予測値と実測値の関係(3月モデル)(PNG:90KB)
図2: 3〜4月の気象条件を用いたモデルでの予測初発日と実際の初発日の関係
モデルのR2 = 0.64です。
予測値と実測値の関係(3〜4月モデル)(PNG:91KB)
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国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所
ナラ枯れ講演会事務局
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