国立研究開発法人森林研究・整備機構「環境報告書2024」に対する意見書
2024年9月20日
国立研究開発法人森林研究・整備機構
理事長 浅野 透 殿
国立研究開発法人森林研究・整備機構
監事 高橋 正通
国立研究開発法人森林研究・整備機構「環境報告書2024」について、独立した第三者として評価した結果を報告します。
1. 目的
「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律(事業者の環境配慮促進法)」により作成された環境報告書について、その記載情報やその背景にある事業の結果が適切な作成基準に従って作成されているかを中心に評価しました。
2. 項目と方法
「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律(環境配慮促進法)」、環境省「環境報告書の記載事項等の手引き(第3版)」、「環境報告書に係る信頼性向上の手引き(第2版)」並びに環境省「環境報告ガイドライン 2018年度版」を参考に、環境報告書に記載された環境情報や関連する取組内容について評価しました。
3. 評価結果
- 森林研究・整備機構は「環境配慮基本方針」を定め、その達成のため「温室効果ガス排出抑制等のため実行すべき措置について定める実施計画」を策定し、環境活動の実施状況を点検・評価することにより、継続的に環境改善を図っています。トピックスで紹介されたように、電気・ガスの省エネ対策においては、機構全体の電気使用量を対前年比8.4%削減することができました。理事長をはじめ経営責任者の主導的関与により戦略的な対策が認められます。
- 森林研究・整備機構は森林、林業、木材産業に係るわが国の研究を主導するとともに、その専門性を水源林造成業務や森林保険業務に役立てています。これらの業務内容は国連の提唱するSDGsの達成に貢献するものであり、業務との関係を関連ロゴを使用しわかりやすく説明しています。
- 森林研究・整備機構の事業活動を具体的な事例を示しながら説明しています。森林や木材の研究、水源林の造成、森林保険制度が日本社会の経済発展と環境保全の両立、生活の質の向上につながることが期待されます。機構の活動は、気候変動の緩和や生物多様性の保全、再生可能エネルギーの利用など環境配慮促進法の目的にも合致するものです。
- 環境負荷軽減の取組は必要事項が網羅されており、算定方法等検証可能な方法で表現され、過去からの変遷を比較できるようにまとめられています。
- 公開講演会や成果発表会を実施し、日本各地域で機構の事業を紹介する催しに参加しています。また、森林にかかわる多くの問合せに回答しています。森林の管理や木材の利用が環境の保全に役立つことを直接国民に伝えるよう務めています。
- 環境報告書は環境コミュニケーションのツールとして有効に活用すべきとされています。森林研究・整備機構の3事業(研究開発、水源林造成、森林保険)の進展は、社会の抱える環境問題解決に直結するものです。環境報告書を効果的に活用し、国民やその他の利害関係者に対し森林研究・整備機構の活動をアピールするよう期待します。
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