保持林業の実証実験プロジェクト

調査地

  1. 北海道イルムケップ小流域(芦別市、深川市、赤平市)
  2. 北海道有林 空知管理区225-250林班
  3. 総面積約6000ha
実験区位置図

実証実験地 イルムケップ小流域の概要

赤平市・芦別市・深川市の三市に連なるイルムケップ山を主峰として、数多くの渓流が空知川や石狩川に流れています。地形は比較的緩やかな丘陵地となっており、林床植生はクマイザサで覆われ標高が高くなるにつれチシマザサが占め、沢沿いでは大型草本となっています。

この地域では、農業が主体で稲作・畑作等や牧草地のほか、ヤマメ等の養魚施設があり、水道水をはじめ農業用水などに必要な水資源の確保や水質浄化など、水源涵養機能の期待が高い地域となっています。また、赤平市の上流域にはエルムダム、その周辺に公園施設等があり、イルムケップ山・音江山などの登山や渓流釣りを楽しむ人や山菜採りなど多くの方々が訪れる森林です。

対象地域の森林面積は5,883haで、このうち人工林は3,505ha(59.6%)、天然林は面積2,315ha(39.4%)になります。また、森林の98%が保安林に指定され、水源かん養保安林(84.7%)、土砂流出防備保安林(14.2%)となっています。 当地域の人工造林の歴史は古く、1920年代から行われ、成績良好な人工林が多く分布し面的にまとまっています。樹種別面積では、トドマツ78.3%、カラマツ12.0%、アカエゾマツ3.9%となっています。トドマツ人工林の林齢ごとの面積を見ると、保育間伐を必要とする育成段階(21~50年生)の森林(1,081ha、39%)よりも、51年生以上の高齢の森林が多くなってきています(1,472ha、53%)。

※ 上記の森林面積の値は、北海道のオープンデータ(2022年)を用いて集計したものです。

イルムケップ遠景