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更新日:2013年5月8日

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森林の生き物 Q12

  • Q12 : 野生動物による被害はどのように防ぎますか?
  • A12 : まず、どんな動物が加害したのかを判定することが大切です。哺乳類では加害現場を直接観察することは難しいので、周囲に残された痕跡から加害種を判定します。痕跡の特徴については、森林総合研究所鳥獣管理研究室(編著)「哺乳類による森林被害ウォッチング」(林業科学技術振興所)等に詳しく紹介されています。被害を防ぐには、(1)加害動物の数を減らす、(2)加害動物の行動を制御する、(3)生息環境を変える、などの方法があります。(1)は、捕獲により数を減らすことですが、野生哺乳類の捕獲は「鳥獣の保護および狩猟の適正化に関する法律」による許可が必要です。また、種によっては捕獲が許可されない場合があります。詳しくはお近くの市町村役場または都道府県の自然保護課にお問い合わせください。(2)は、構造物や薬剤によって加害動物に不快、警戒、忌避などの行動を起こさせ、目的の場所で被害を起こさせないようにすることです。薬剤には、農薬登録され、「忌避剤」として市販されているものもあります。(3)は、作物の種類や栽培方法を変える、果樹野菜を放置・放棄しないなどして、加害動物を無用に誘引しないという方法が含まれます。また、自然のエサを確保してやり本来の生息場所に戻す、というような方法もありますが、まだ試験段階です。シカ、サル、イノシシの被害対策は「農林業における野生獣類の被害対策基礎知識」)に解説されています。
  • (野生動物研究領域)

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