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更新日:2010年5月14日

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森林の生き物 Q6

  • Q6 : サザンカ、ツバキ、ハナミズキなどの葉に斑点をつくり、激しく落葉する病気は何という病気で、どんな方法で防げますか?
  • A6 : 西日本ではサザンカで年中発生し、関東近県ではハナミズキで6月中下旬頃斑点が発生し始め、急速に病斑が拡大し、激しい落葉を起こす病気です。病斑の中心部をよく見ると、針先ほどの微小な物がついていて、そこから病斑が広がっているのがわかります。またしばらく時間の経った病斑の上には、粒状の超小型のきのこみたいな物が作られます。この病原菌は胞子を形成する能力を失った代わりに、本来は胞子の形成器官と考えられるきのこ状の組織そのものが伝染を担うようになったようです。従ってこの病気はあまり離れた場所には伝染せず、罹病した樹から雨しぶきが届くせいぜい1,2m位の範囲にしか拡大しません。しかし、この病原菌の寄主範囲は広く、全国的に目立つのは上記のサザンカ、ツバキ、ヒサカキ、ハナミズキなどですが、このほかにもいろいろな樹木に感染します。この病気の防除目的に登録された農薬がないので、現在のところ薬剤防除はできません。あと2,3年すれば現在試験中のデータを元に農薬登録が行われ、防除に使えるようになると思います。

(森林微生物研究領域)

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ハナミズキの葉に発生した輪紋葉枯病の初期病徴

 

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