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更新日:2025年11月4日
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ゴンズイ(Eucaphisjaponica、ミツバウツギ科)
これを書いているのは10月下旬ですが、暑かった今年の夏もやっと終わりに近づき朝晩は過ごしやすくなってきました。とは言っても長かった夏のせいか、木々の葉が色づくのはもう少し先になりそうです。そのために支所周辺の林は色味が少ないのですが、その中にゴンズイの目立つ赤い実を見つけました。
ゴンズイはミツバウツギ科の落葉樹で関東以西の本州、四国、九州及び南西諸島に分布し、日当たりの良い低山の雑木林などに自生します。花期は5〜6月で、その後できる果実は9〜11月に赤く熟したのちに裂けて、中から黒い種子が出てきます。普段は目立たない木ですが、この時期に色づく綺麗な赤い実とその中にできる光沢のある黒い種は一際目を引きます。
「ゴンズイ」という一風変わった和名の由来にはいくつかの説があります。そのうちの1つが、同名の魚がその由来というもので、いずれも役に立たないことから、その名前がついたとされています。役に立たないなどと言われてしまうゴンズイですが、私たちの目を楽しませてくれるだけでも、十分に存在意義があるのではないでしょうか。
2025年10月22日高知県高知市朝倉西町
(写真と文:後藤秀章)
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